救援
瓦礫と化した町に、所々、煙が上がっていた。風に燃えかすが舞い上がる。
「ノエル、大丈夫か?」
「はい…。私の事は、気にしないで大丈夫…です…から…。」
弱々しく、鼻声で言葉が返ってきた。マットは、距離を置いて後方に立っている ノエルを振り返り一瞥すると、屍体に近寄りガソリンをまき、 火のついたマッチを放り投げた。小さな炎が円弧を描き、大きな炎を生み出した。ジオンの制服がパチパチと燃える。
はぁ…と、マットはため息を吐く。
自分は、感覚が麻痺してしまったのだろうか…。マットは、夕暮れの空を見上げた。